REGIMENTAL

阪神淡路大震災の火災を免れた木造密集住宅地にある、間口5m奥行き8.3mの小さな敷地に計画した住宅である。

クライアントの要望である「地域の食卓」や「革細工のギャラリー」等、周辺住民の居場所となる仕掛けを盛り込むにはこの敷地は狭く、要求に答えるべく床を積層させる度、貴重な床の一部をいわゆる階段に明け渡す事をもったいなく感じた。
そこで私たちは「階段」へ生活の拠点を移し、それ自体を積層させることとした。まるで手品のようだが、出来上がったのは2層または3層を繋ぐゆったりと幅のある鉄砲階段を4層積層させた、3階建てである。

L字に建築を包む「階段」により、密集地の暗くじめっとしがちな敷地の奥まで光や風が通り抜ける。
放射状の踏板は構造的な安定を作り、時に宙に飛び出し居場所となりながらリズミカルにうねうねとつづく。

明るく風通しの良い空間で、生活のシーンがゆるゆると繋がって展開していくような住宅を目指した。


REGIMENTAL
用途   / 住宅+コミュニティスペース+ギャラリー
延床面積 / 81.52㎡
最高高さ / 9.35m
構造   / 鉄骨造